秋のうららの〜あかね色商店街〜

 ブルームハンドルの新作『秋のうららの〜あかね色商店街』の体験版をお試し。やまさきともや氏も自身のサイト『ツインテールの悟りを開くor脱力小隊』で強力お奨めのこの作品。確かに雰囲気はやまさき氏お気に入りの『貧乏姉妹物語』っぽいかも。


 これから試そうという人向けに、以下、公式ページでのストーリー説明を引用。

「秋の訪れを感じさせるある日、主人公達のクラスに美少女姉妹の転校生がやって来ます。
しかしこの転校生、実は主人公の母親の再婚によって、
新たに「妹」となった姉妹なのでした。
そもそも主人公は、仕事柄海外で生活している母親の元を離れて、
ボロアパートに一人暮らし中。
母親に自分の力だけで生活すると啖呵を切った手前もあり、
こっそりアルバイトをして生計を立てていたのです。
しかし、新たに主人公の義父となった姉妹達の父親は人が良く、
何度も詐欺にあっては借金をしている困った人物。
数年前に妻を亡くした後、娘達を兄夫婦に預けると、一山当てようと
海外に飛び立ってしまったのです。
そして海外で主人公の母親と恋に落ち、電撃結婚。そのまま新婚旅行に
行ってしまい、ロクに連絡も取れない状況に!?
その上、一方的に姉妹の転校の手続きを済ませると……
「自分たちが新婚旅行から帰ったらみんなで一緒に暮らそう。
 それまで新しいお兄ちゃんに甘えるといい」
お気楽でお人好しな父親と、放任的すぎる母親に、お互いため息をつく
主人公と姉妹達……
そんな主人公に姉妹達は「迷惑はかけられない」と
出ていこうとしますが、「家族なのだから」と止める主人公。
さらに、姉妹の父親が主人公のアパートの大家にまで借金をしている
ことが発覚。半ば踏み倒すような格好で音信不通だったと言うのです!?
「此処を出て両親の所へ行け、そして借金を返すように伝えろ」
そんな大家に、窮地に立たされる主人公達。
いつ戻ってくるか判らない両親、もはや行き場のない妹たち
……主人公はそんな姉妹達を守ろうと決意します。
借金の分割払いを受けてくれ、
「そこまで言うなら、やれるだけやってみるがいい」
そんな大家に感謝する主人公。
それから始まる、姉妹との生活。人情味のある下町商店街の人々は、
主人公達兄妹を影ながら応援してくれます。
貧乏で、慌ただしくも楽しい毎日の中……主人公はとある女の子への想いに気付きます。
はたして主人公達の恋は、貧乏に勝てるのでしょうか?」


 ということで、主人公がお兄ちゃんとして奮闘するお話です。ブルームハンドルは、田舎の孤島に赴任してきたちょっとおばかな医者を主人公とした前作『波の間に間に〜さざなみ診療所〜』を出していますが、今回も基本的には同じ路線かと思います。波の〜も体験版は試してみましたが、画はとてもよいものの、シナリオに力強さがなく結局購入にはいたりませんでした。
 今作も前作に続き、べこ氏の画はとてもよく、画だけでも購入していいんじゃないかと思わせるものがあります。ただ、しょっぱなの設定からかなり突拍子もなく、シナリオに難ありなのでは、と見ざるを得ないような気がしました。キャラクタでは小田島まゆが出色、金髪ツインテの妹さんです。金髪ツインテの属性を持ちつつ、キャラはツンデレではなくむしろ守ってあげたいタイプの萌えキャラの基本のようなタイプであります。声は秋月まい嬢、非常にキャラに合っていてよいです。

 『批評空間』さんの前評判では、音楽の出来に割と厳しい評価が集まっているようです。確かに、いかにも一昔前のゲームです、といったサウンドは、最近のそのままシングルにして売ってもいいんではと思わせるような高品質のサウンドを搭載したメジャーどころと比べて貧弱に聞こえます。レトロな雰囲気のゲームだから、という好意的な見解もありましたが、レトロを理由にサウンドにお金をかけないというのはいかがなものか、レトロさは楽曲の質で表現すべきなのでは、と個人的には思います。

 発売日の1月26日は集中日とのことで、待ち、の人が割と多いようですが、ここは確かに、ちょっと他の人の評価を見てから購入してもよいかな、と思っているところです。