お主人ちゃん!

 先週末にようやく届いた「いつか、届く、あの空に。」ふたみルートをクリアしました。巷間色々な評価がありましたが、個人的にはかなり好きです。朱門優さんのシナリオ作品は今回初めてトライしましたが、とても好みです。ウェブサイト、ブログ、mixiをされているようで、早速チェックしました。オールクリアしたらmixiでメッセージを書いてマイミクに入れてもらいたいくらいよかったですよ。なにがいいって、やはりふたみ(と策)の心の動きがよく分かる形で描かれているところでしょうか。義務ないし責務としての行動から愛情に裏打ちされた行動への変化、というのは、同じ完璧メイドが登場する水月にもなかった描写ではないかと思われ、またその変化の過程についてもツンデレとはまた違った趣があるように思うのであります。


 シナリオライターの方は、色々な雑学を持っている人が多く、これを話の中にネタとして、またはプロットそのものに織り交ぜるということがよく行われるわけですが、ゲームがPC上で動いてるため、分からないネタや用語、話題があるとすぐにネットで調べられるというのは、自分の知らない領域について面白い話をたくさん知ることができて、とても楽しいです。


 ネットって、能動的に情報をとってくるプル型のメディアなので、逆にもともと詳しくない分野や、そんな分野があるってことすら知らない分野についての情報は、テレビやラジオと言ったプッシュ型のメディアと違って、基本的には自分に入って来ないわけです。その結果、興味ある分野については深堀することができる反面、他の領域に興味関心を広げていく機会が減っていくことになりかねないともいえます。色々なネタが盛り込まれているシナリオ、例えば今回の朱門さんのシナリオでいえば、ギリシャ神話、北欧神話、易学、それから戦国時代の武将といった様々なネタが盛り込まれているシナリオは、シナリオの面白さも手伝って、今まで必ずしも関心が深くなかった分野についてあちこちサイトを見て回る楽しさを与えてくれるのがいいです。ゲームの進行は遅くなりますが、本数を多く試すというよりは良作を絞ってじっくりやるというタイプの楽しみ方をしている人にとっては、むしろ歓迎すべきことなのではないかと。他によい例としては、ゆのはなで得たイタリア戦艦関連の知識とか。。


 此芽シナリオと傘姉シナリオを読んで初めて全体像が見えてくるとか、ふたみじゃない子に行くっていうのは本意ではないものの、特に此芽シナリオはなかなか厚くなっているようなので、一日おいた後で気を取り直して挑戦してみたいと思います。